どうも、作者の九重九十九です。
 皆様、最後までこの『二人?の異邦人IN麻帆良』を読んでいただき、本当にありがとうございます。
 思えば最初にこの物語を書き始めた2006年の6月の終わりごろから、すでに2年以上の月日が経過してしまいました。
 無事連載が終えられたのも、皆さんの心よりの応援の賜物です。

 さて、ここからは『二人?の異邦人IN麻帆良』の裏話や執筆のきっかけといったものを綴っていきましょう。
 まず、この物語を書くきっかけとしては同系統のあるSSを読んだ事がきっかけでしたね。
 そこで自分も書いてみたくなり、投稿図書へと投稿し始めました。
 ただ、この当時は今思えばとんでもない書き方をしていましたね。
 なにしろこの時点で決めていたのは主人公である横島とタマモの能力と立場のみでした。その上で、大まかな流れを決めたのみで自分が思いついたシーンと会話をただ書いていくという書き方でした。
 思えばプロットも何も無い、とんでもない書き方で20話近く書いたものです。
 これはおそらく原作の設定があることと、話の流れが完全に原作をなぞる形で書いていたから出来た芸当だと思いますね。
 ともあれ、こんな形で書いていけばいずれ破綻するのは目に見えていますし、方向修正する意味と心機一転を兼ねて新たにHPを立ち上げ、改定作業の後に新たに生まれ変わったのがこの作品です。


 それでは以下は各話について解説していきましょう。


第1話〜第8話 「VSエヴァ編」



 話の導入部として位置づけとしてのエヴァ編となります。
 この話の基本的な流れとして、横島達の行動によりネギ達がどうかかわり、変わっていくかが重要でした。
 まず横島の立場ですが、副担任やら用務員といった学校に直接関わる形での役職は数々の先人達が行っていましたし、学生の立場として学園に関わる存在としてタマモがいましたので、横島はあくまでもタマモの保護者&外部契約者という形で学校と関わる形にしました。ただし、これだけだとなんだか寂しいのでオリキャラとしての死神を追加しました。
 そして、ここからが重要なのですが、この物語の基本コンセプトで『GSキャラによるネギま世界の侵食』というものがあります。
 これを実行する上で重要なのが、横島がいかに型破りな行動を行うかが鍵となってきます。
 ただし、これを強調しすぎるとバランスがとんでもない事になってくる恐れがあるため、横島のストッパー役としてタマモの存在と、結局は横島以上の影響力とインパクトを持たせるためのアイテムとして、大好きだった「シティーハンター」よりハンマーをアイテムとして持たせる事になりましたね。
 その結果として、タマモの性格は原作との乖離を見せ、完全な激情型のキャラとなってしまい、掲示板やメールで読者の方から散々お叱りを受けたのが印象深かったですね。
 特に、メールで意見を下さった方の中には熱心なタマモファンがいるようで、わざわざ原作との引用対比に始まって延々とテキストデータで20〜30KB相当のデータ量を使用して、いかにこの物語のタマモがおかしいか指摘してくださった親切な方がおり、キャラの把握に大変役に立ちました。
 まあ、そのへんの裏事情はどうあれ、とにかくこうして私の中で新たな横島とタマモは生まれました。
 後はネギ達と関わらせるだけなのですが……これがまさにネギ、そしてエヴァの受難の始まりとなったのです。
 なお、これの連載当時はGS×ネギま系SSの中でバトル物が多かったのもあり、それの対極を狙うつもりで徹底的に戦わない(まともに戦わないという意味で)横島を目指したのですが……さて、よかったのやら悪かったのやら。

 
第9話〜第19話 「ネギ、受難の修学旅行(副題:茶々丸開眼の巻き)」



 さて、いよいよ修学旅行編なのですが……このあたりからネギとエヴァの受難が本格的に始まります。特に、茶々丸が神の教えに目覚めたネギの影響を受け、全く別方向に目覚めてしまいました。
 今思えば、なんでこんな展開にしたんだろうかと、自分自身を小一時間問い詰めたくもあります。
 さて、まずこの修学旅行編で重要な流れとして、カップリングとして横×タマの確立と、刹那の意識を横島に向けること。そしてあやかとタマモの結びつきを強めるというものがありました。
 まあ、この辺は原作の流れを追う形で行きましたし、数多ある横島×刹那の流れと同じ流れとなってしまいましたね。
 ただし、それだけではインパクトが弱いと判断し、改訂版はタマモとの結びつきを強めるのと平行して、横島のあり方を認識させるために暴走したタマモの意識下でのやりとりを付け加えました。
 しかし……今読み返して思いますが、なんという理不尽キャラなんでしょうかね、タマモと横島は……
 なお、18話における最後の横島復活の描写は延々と続くシリアスに耐え切れなかった私の暴走が原因です。
 ゴメンネ、横島君。


第20話〜第26話 「ひと時の安らぎ、加速する受難」



 この間の6話はヘルマン編への繋ぎとなる話でした。そのため、随所にオリジナルの話を入れたりしています。
 このあたりからいよいよ本格的に横島×刹那の描写が強くなってきました。そして、それに比例するかのようにネギとエヴァの受難率が上がっていきます。
 おまけに、それに加えていよいよネギま世界最大の癒しキャラである木乃香がどっかの神様に目覚めていた事が発覚。さらにのどかまで取り込まれかけるという始末です。
 もう、本当になんでもありの私の暴走極まった部分でもあったことでしょう。
 

第27話〜第29話 「ヘルマン登場」



 さて、この回はヘルマンと修学旅行でろくに描写のなかった小太郎の登場となります。
 まず、ここで重要なのが小太郎をどうやってタマモ達と関わらせるかということなのですが、あっさり拾った人物をあやかとタマモにすることで解決。おまけに、原作と出会いが変わったことで小太郎もあやかのターゲットとなってしまいましたw
 そしてこの回においてあやか=横島という設定と横島事務所に深く関わらせるために、ここであやかに横島達の素性と魔法の存在をばらしました。
 ただし、あやかは魔法の存在や裏事情を知りつつも、あくまでもその関係は一般人の域を脱していません。ですから、あやかはこれ以後横島達をあくまでも表の面で手助けしていく事になります。主に金銭面、依頼の斡旋という意味ですがw
 小太郎については……はたして西にいたのと麻帆良にきたのでどっちが幸せだったんでしょうかねー。


第30話〜第33話 「麻帆良の日常」



 ついに勢ぞろいした横島ファミリー、この回はそれを強調するための物語でしたね。
 特に32話の小太郎の授業参観はそれを印象付けるための回でした。
 なお、33話の「ダンジョン再び」において、ついにネギが生きるためになりふりかまわなくなってきています。 これが後に……ネギ、あんなに純粋だった君は一体どこへいったの?
 それと白井院長、あなた無敵すぎます。


第34話〜第36話 「陥落、横島忠夫」



 さて、いよいよプレ学園祭です。
 このプレイベントにおいて、ついに……ついに横島が陥落してしまいました。そのきっかけは間違いなく幻覚デートのおりのウェディングシーンですね。
 ネギとエヴァの受難も終わりが見えません。どうも基本的に私の書くキャラはシリアスキャラほど受難の傾向があるようです。
 

第37話〜第39話 「開幕、麻帆良祭」



 学園祭の開幕、そしていよいよ終わりが見えてきました。
 まず、この段階の描写として重要なのが終わりを見据えた刹那の意識です。
 この時点で刹那ははっきりと横島に恋心を抱いていますが、それと同じくらい大切な存在として木乃香がいます。それを印象付けるためと、最終話の選択の暗示として刹那の夢という形で横島との別離を描写することになりました。
 ただし、ここで直接描写するとネタバレになってしまいますので、可能な限りぼかして見ました。
 それと、いよいよ重要キャラ登場。ミスリードに苦心したけど、この段階で分かってた人がけっこういそうですねー。


第37話〜第46話 「死闘、麻帆良武道会 ネギよ、お前はいったいドコへ行く」



 ネギとエヴァの受難、その集大成がついに始まりました。
 たとえ立派な魔法使いを目指していようと、その生き様はすでにそこからかけ離れています。
 そして、その生汚さから新たなる犠牲者も誕生してしまいました。高畑先生ファンの方、本当にもうしわけありませんでした。
 ともあれ、この回で重要なのは超の思惑を徹底的に破壊すると言うことでした。それゆえ、ネギだけでなく小太郎の強化にはしります。
 なお、追記しておきますがこの麻帆良における純然たる戦闘能力におけるランキングを発表いたしますと下記のようになります。

 エヴァ>高畑or学園長>刹那>龍宮≒楓>ネギ≒小太郎>その他魔法先生&魔法生徒>タマモ>横島≧クーフェイ以下略

 皆さんびっくりと思いますが、あくまでも強さという面にこだわった場合、横島とタマモは決して強くありません。
 ただし、これにサヴァイヴァルと言う意味での戦場の総合的強さ、生き残る確率という意味でランキングを付け直すと、横島がダントツ、以下ネギ、小太郎、タマモと続いて行ったりしますけどね。
 ともあれ、そういった理由により、横島達はトーナメントでは早々に敗退してもらいました。
 ですが、横島による影響はすごいもので、彼に関わったために変わってしまったキャラ達がどんどん超の思惑をぶち壊していく様は書いていて楽しかったですね。


第47話〜最終話 「大団円をめざして」



 武道会も終え、いよいよ最大のクライマックスとなります。完全に終わりが見え、寂しくもあり、感動でもありましたね。
 さて、この回で超はいよいよもって未来改変のために動き出します。その理由については、原作ではぼかされ、詳しい描写はなかったですが、私の場合ネギが某暗黒神を信奉しているため、その子孫である超の目的もそれにそったものになっています。
 いやー、それにしても原作での火星出身&未来人でネギの子孫という扱い難い設定でしたが、なんとかこれによりうまく説明できたかなと思います。
 まあ、例によって超の受難という流れがいたく気に触ったのか、メールでさんざんお叱りをうけたりもしましたが、とりあえず当初からの構想ですので今更変更も出来ず、要望に添えない流れとなってしまったことをお詫び申し上げます。
 ともあれ、このクライマックスを書く上で一番苦しかったのは……シリアスシーンでしたorz
 元々私の作風はギャグに偏っているせいで、シリアスシーンというのはものすごく難しく感じてしまったのです。おかげで筆がなかなか進まず、更新にかなり日を空けてしまいました。
 ですが、そのおかげで十分吟味でき、重みのあるストーリーが出来たと思います。特に、ガンドルフィーニ、明石、瀬流彦といったキャラは今までの苦労が報われたと思ってますね。
 あと、56話ですが。本来ならラスボスは全員で横島ごとフルボッコという予定でしたが、なんかネギが活躍してなかったので横島への復讐という意味も兼ねて最後に大活躍してもらいました。
 某所でも言われましたが、おそらくオリキャラ、クロスキャラ含めて、来訪者を嬉々としてフルボッコするネギというのはおそらく初めてではないでしょうかね。
 なお、54話〜56話のタイトルですが、これを逆につなげると私の好きな某戦略シミュレーションのタイトルになったりします。気づいた人いるかなーw


 さて、長々と各話の解説をつづけましたが、これでほぼ語りつくしました。
 今後の異邦人についてはたまにイベント的な小話もまじえた外伝、それと本編を補完する外伝をちびちびと書く程度です。
 あとはIFシリーズで「原作のあのシーンに異邦人キャラが出くわしたら?」というテーマで何か書くかもしれませんね。
 また、次回作として現在構想しているのは龍宮が主役となったプレネギまの物語なのですが……はたしていつ公開出来るやら。



 さて、それでは皆様「二人?の異邦人IN麻帆良」に長々とお付き合いくださいまして本当にありがとうございました。今回はここで筆を置かせていただきますが、いつかまた別の作品でお会いいたしましょう。
 

 2008年 11月12日 九重九十九


Top
小説のメニューへ戻る