いま俺たちは日本で電車に乗っている。
その理由は少し遡ってイギリス、ウェールズの魔法学校の卒業式でのこと話さなければいけない。
遡る事二日前、卒業式で卒業証書を受け取る魔法学校の生徒五名。
今回の卒業生はこの五人、ネギとアーニャはその内に入っている。
この日、ネギ・スプリングフィールドは晴れて魔法学校を卒業した。
その後のドタバタは何時ものように感じる、首席の癖に妙なところで失敗する奴だから。
アーニャがネギに卒業課題を聞きに来て、ネカネと一緒に覗き見る。
その先にあった文字を的確に、普遍の意味で理解した二人が絶叫し、校長室へ殴りこみ。
校長が冷汗を流しながら説明し、ともかくとネギは旅立つことになった。
その横でネカネが眩暈を起こして卒倒し、ネギが慌てて介抱し、アーニャは小さい声で不平不満を愚痴々々と。
この時のネギの課題、それは『A Teacher in Japan』=『日本で教師をしろ』だった。
これを作った奴はガキだと思って舐めて掛かってるのだろう、呪って祟って怨んでやろうと思う、なぁ校長?
そのとき、何かを感じ取った校長が目の前でぶるりと震えたのは気のせいだと思っておけ。
以上が現在、ネギが日本で電車に乗っている理由になる。
Doppelt 〜The Another ネギま!〜 神鳴神薙
一話「二人で一人の子ども、先生になる」
僕はいま電車に乗っている、見た目は普通の電車だ。
でも乗っている僕は気が気ではない、だって周りは女の人だらけだから。
聞こえてくる声に恥ずかしい思いをしながら何とか我慢して乗っている。
『羨ましい限り、なんだろうなぁ普通は』
そんなことを言わないで欲しいよイツリ、好きでこうしてるわけじゃないんだし。
それに乗って少しした時にくしゃみ(中)しちゃったから、どうにも居心地が・・・・・
そんな愚痴まで思う中、目の前の女の人が話し掛けてきた。
「ねぇぼく、どこまでいくの?」
「よかったら案内してあげるよ?」
訂正、女の人"たち"だった。でも、いまは朝だから学校があると思うんだけど?
周りの人と同じ服を着てるのに、学校がないとでも言うんだろうか。
「えっと、だ、大丈夫ですから・・・・」
ちょっとどもりながら返事をして俯く、絶対顔が赤くなってる。
周りの女の人たちの声の中に「かわいい」とか「持ち帰っていい?」とか聞こえた。
特に後半は忘れたい、冗談ですよね?
【次は麻帆良女子校エリア〜、麻帆良女子校エリア〜】
何時の間にか目的地に近づいていたようだ、聞き逃してたら危なかった。
『次で降りても遅刻寸前だぞ、聞き逃したら遅刻確定だったが』
うぐっ、それを言わないでよイツリ。僕だって気にしてるんだからー。
心の中でそう言いながら、僕に声をかけて走り去る女の人たちに続いて電車を降りる。
【こちら麻帆良放送部です。今週は遅刻ゼロ週間の為何時もより厳しく取り締まっています。
今週の遅刻者はイエローカードが進呈されますので、頑張って遅刻しやがれってんです】
「うわ〜、日本は学生が多いって聞いてたけど、これはすごいや!」
『ネギ、これが日本の普遍的な登校風景だと思うなよ?』
(えっ? 違うの?)
心の中でイツリが溜息を吐くのを感じながら、ポケットの懐中時計を取り出す。
アンティークとしての価値が高く、精度もかなりいい時計で愛用しているものだ。
見ると本当に遅刻ギリギリの時間だ、普通に走っても間に合わない気がする。
魔力を足に集めて走り出す、二歩目からほぼトップスピードへ。
『(ネギ、魔法の隠匿って言葉忘れたのか?)』
途中でイツリがしみじみとした雰囲気を出しながら、さめざめと泣いていたイメージが浮かんだ、何で?
本来であればここに迎えの人が居るらしいけど、遅刻しそうな現状ではそんな人を探していられない。
だけど一番の問題は、僕は迎えの人がどんな人なのか知らないんだよね。
手紙も資料も写真さえ貰ってないし、名前すら知らされていない。見ず知らず、赤の他人って言うやつだね。
だから迎えの人には悪いんだけど、先に行かせてもらいます。遅刻したら許してください、僕も遅刻しそうなんです。
一応首席として卒業したからには遅刻と言う、相手方の心象を悪くする行為はしたくないし。
『校長も抜けてるな、迎えの人が居ると言っておきながら誰なのか教えないなんて』
イツリが校長先生に愚痴を言っている、僕も言いたいけど心の奥底にそっとしまっておくことにした。
そうして走っている途中、鈴の髪飾りで髪を束ねた人が大声で叫んでいた。
「高畑先生高畑先生高畑先生高畑先生高畑先生・・・・・・・・・・・・・・わん!」
なにかの罰ゲームなんだろうか、それとも頭の可哀相な人?
『ネギ、この場合は恐らく後者だ。あの顔は自分から進んでやった顔だ、寧ろ認識はイタイ人でいいぞ?』
そんなイツリの言葉に頷いた僕は、その人の横に並んで顔の相を見てしまった。
『ネギ、何か嫌な予感がするんだが・・・・・・ちょっとまて』
この時のイツリの言葉を無視したのは失敗だった、それが僕の後悔の一つ。
「すみません。あなた、失恋の相が出てますよ」
「・・・・・・・・・なんだとこのがきゃー!! うそだと言いなさい、訂正しなさい!」
言った瞬間、ものすごい速さで詰め寄られて訂正を求められた。
「いえ、そのかなりどぎついのが・・・・・・」
『ネギ・・・・・・・・・・・もう少し乙女心を理解してやれ』
この時、僕はイツリの言葉の意味が分からなかった。
そして、涙眼になっていた目の前の女の人は僕の頭を片手で持ち上げたまま震えている。
「・・・・・・・・・・私はね、ガキが大ッ嫌いなのよっ!!!」
俯いていた顔を上げた女の人はそのまま僕の頭を握り締め始めた、って"みしみし"いってるよ?!
『自業自得の極だ、さっきのをアーニャに言ったらオシオキは第五段階ぐらいだろうな』
そ、そんなことを僕はこの人に言ったの?! 謝りたいけど頭が痛いー、"みちみち"いってるー!!
もう一人の黒髪の女の人が諌めているけれど、目の前の女の人は聞いてくれない。
その後、此処が男子禁制の女子校エリアだと言われ、初等部エリアは二つ手前の駅だと言われた。
そのあたりは分かってるんだけど、最初に学園長に会いなさいって校長先生が言ってたし。
そのあたりを説明しようにも頭が"みぢみぢ"いってるから無理っぽい、と思ったら上から声が掛かった。
「アスナくーん、彼はいいんだよ」
その声に反応してすぐさま手を放す女の人、黒髪の人は手を振っている。
そして僕は上を見上げて声を張り上げた。
「タ、タカミチー!!(助かったよ! ありがとー!!)」
するとさっきの女の人が音を立てて後ろに下がっていった、ちょっと失礼じゃないかな?
「いらっしゃいネギ先生、麻帆良はいいところだろう?」
「うん!」
タカミチの質問に勢いよく頷く僕と、何でタカミチと知り合いなのかと詰め寄ってくる女の人。
でもねタカミチ、この男の人みたいな手の力をした人って同じ魔法使いなの? 違ったら怖いんだけど・・・・
そんな言葉を飲み込んで、詰め寄ってきた人を押し留めて、まずは丁寧に自己紹介から。
「イギリス、ウェールズから教師として来ました。ネギ・スプリングフィールドです」
そんなことはどうでもいいと言わんばかりにタカミチのことを聞いてくる鈴の髪留めをした人。
僕の自己紹介、二人とも完全無欠にスルーだよ? どうしようっかー。
黒髪の人はなにやら僕が先生だと言うことに驚いて目を丸くしている、これが普通の反応だよね。
『その鈴で髪を束ねた女の子は頭が弱いんだろ。そろそろ理解すると思うが、ゆとり教育の弊害か?』
イツリの言葉が終わるか終わらないかの時になって、鈴の髪留めをした女の人が声を荒げる。
「って、何であんた見たいなガキんちょが教師なんてやるのよ!!」
それに答えようとした僕を遮って、その人に答えてくれたのはタカミチだった。
「大丈夫だよアスナ君、ネギ君は頭が良いから。それと今日から2−Aの担任と英語を担当してもらうんだ」
さりげなく、それでいてあっさりとミサイルを発射するタカミチ。
担任のことは聞いてないんだけど、いつ決まったのか聞いても良いかなタカミチ。
タカミチの目の前でにっこり笑うと、タカミチの笑顔が引き攣った笑顔に変わって汗をかいている。
今日はそんなに暑かったっけ? まだ日本は冬の季節だったと思うけど・・・・・?
『ネギ、タカミチへのオシo・・・・じゃなくて、質問は後回しにして聴いてなかったらしい自己紹介を先にしたほうがいい。
相手は俺たちについて何も知らないんだ、お前とか呼ばれるよりも名前で呼ばれたほうがいいだろう?』
イツリの言葉に(心で)頷きながらタカミチの側にいる二人に向かって姿勢を正す、簡潔丁寧にしっかりと。
今度はちゃんと聞いてくれるだろうと思いつつ、そこはかとない不安を押し隠す。
「本日から此処、麻帆良学園中等部で教師をすることになりました。
ネギ・スプリングフィールドと言います。至らないことがあるかもしれませんが、宜しくお願いします」
浅い形で頭を下げて名前を伝える、自分の名前はしっかりと伝えることは礼儀らしい。(お姉ちゃん談)
なにやら固まってしまったアスナさん(暫定)、まだ自己紹介してもらってないからわかんない。
その隣の黒髪さんは「よろしゅうな〜」と言いつつ頭を下げてくれた、礼儀正しい人だ。
「何であんたなんかが高畑先生の代わりに担任になるのよ! 私はあんた見たいなチビでガキでミジンコで・・・・・・」
胸元を掴まれてそのままの勢いで色々と言われている、そのせいで髪が鼻に掛かってしまった。
いけない、これは向こうでも抑えようとして頑張ったけど無理だったくしゃみの前兆だ!
「は・・・は・・・は・・・・・・はくちっ!!」
僕の我慢できなかったくしゃみと一緒に魔法(風花・武装解除)が暴発、目の前のアスナさん(暫定)に直撃した。
※・※・※・※
目の前ではネギのくしゃみが響き渡っている、その弊害も一緒だが。
ネギは自身の魔力を完全に制御できてはいない、そのためにくしゃみと一緒に魔法が暴発する。
ネギの持つ潜在能力と父親並の馬鹿でかい魔力、この二つが併さるからこそコントロールに難が出るらしい。
もっとも、このくしゃみの規模は"まちまち"の為なのか、いまいち制御に集中しきれないともいっていた。
これでも小さければちょっとした風が起きる程度、この少し強めのものは本日電車に乗った際に一度放たれた突風か。
大きいと、なんと言うかエロ小僧としての本領発揮と言うべきなのだろう。ガキだから許される状況を作り出す。
なにしろ『風花・武装解除』が暴発、当たった相手の服を下着を残して吹き飛ばすのだ。
ウェールズの街中でそれをぶっ放し、あまつさえ近くにいた知り合いの女性(21)を下着姿にしたのは俺の記憶に新しい。
が、周りは慌てず騒がずあっさりとローブを投げ渡し、女性(21)もそれを着てネギを小突くぐらいだった。
つまり、向こうではかなりどころか凄まじい勢いで頻発していたと言うことに他ならない状況と言えるだろう。
ただし、反対側で女性(21)の下着姿を激写していた男がいて、約一時間後に氷漬けになって湖のど真ん中に放置されていた。
ネガと現物に関してはなぜかネギの机の上に袋入り(現像済)で置かれていたが、どうかと思うぞ。
因みにその男、次の日には平然と町を闊歩してカメラ関係を買っていた。どうやって出てきた、あの氷塊から。
と、そんな具合にエロ思考の魔法を無意識で発動させるこのくしゃみ、どうにもならないのが現状だ。
そのくしゃみがあろうことか最大規模として暴発、アスナ(暫定)へ直撃したのだ。他に被害なし、ありえねぇ。
結果は想像したとおりにアスナ(暫定)のみ下着姿、タカミチと黒髪の少女がそのパンツについて批評している。
タカミチ、あんた大人なんだから中学生のパンツを直視するな、「くまパンか・・・・・」なんて呟くほどガン見してんじゃねぇ?!
少女よ、親友なのだろう? 「毛糸のくまぱんか」って評価してどうする、上着ぐらい貸してやれ。
「ッッッッキャァァァァァァァー――――!!!」
アスナ(暫定)が叫ぶ、普通は叫ぶよなぁ。ネギ、あとでこの人に制服買ってやれよ?
そんな俺の心意気を余所に、アスナ(暫定)に言われていたことに腹を立てているネギだった。
このくしゃみ、魔力がなければ起きないのだろうか。いや、魔力がないと昏倒するな、ネギが。
それは意味がない、それでは意味がない、それだと無意味である。
たかがくしゃみを止めるのに、魔力全てを無くす・・・・・バカらしすぎる結論だった。
悲鳴をあげて座り込んだアスナ(暫定)を見下ろすタカミチが、漸く上着を脱いで渡す。
それを即座に着込み、玄関へと走り出すアスナ(暫定)。着替える為の服なんて有るのか分からない。
普通は制服なんてそうぽんぽん買える物ではないし、複数もってもせいぜい二着ぐらいだろう。
その予備ですら自分の部屋に置くのが普通だ、何故校舎に向かって走ったんだ?
そのあたりの疑問は、ネギがタカミチの案内で玄関から入り廊下に出たところで知ることが出来た。
アスナ(暫定)はジャージに着替えており、タカミチに上着を返しに来たのだから。
と言うか、どこで着替えたのか、どこにジャージを仕舞っていたのか、その辺を聞いたら駄目なのだろうか。
とりあえず、ネギに忠告しておくとしよう。制服とはどれほどの価値が有るのか、その部分だけは後回しで。
『ネギ、制服と言うのは意外と高いものなんだ。ちゃんと弁償しろよ』
内心ではネギが俺の提示した金額に軽く恐慌状態になる、表面に出ていないのは何故なのか。
なんにせよ、この先ちゃんと魔法を隠匿できるのか不安になる出来事だろう。
いざとなったら全力で俺が逃げに回らなければいけないかもしれない、だってオコジョに成りたくないし。
・・・・・・・・・ネカネがネギオコジョを肩に乗せて仕事をする、元が人間なだけにネカネを手伝うネギオコジョ。
ネカネが敵と戦う際に囮として高速移動をかますネギオコジョ(俺ver)、俺の生存率低いわ!
なんと言うか、その全てに違和感がないあたりネカネはすごい人間で魔法使いなのかもしれない。
ネカネと一緒にいるマスコットとしては合格と言えるだろう、本人の心境を除けば。
これがアーニャだと容赦も躊躇も微塵も無く囮に利用、且つマスコットとして連れまわされることだろう。
そうこうしている内にタカミチがあるドアの前で立ち止まる、プレートには《学園長室》と書かれていた。
此処は麻帆良学園、だとすると此処にいるのがこの学園の最高責任者なのだろう。
「すみません学園長、ネギ君をお連れしました」
「うむ、入ってよろしい」
軽くノックしたあとでタカミチが声をかける、返ってきた声は少し嗄れた声だったので老人だろう。
タカミチが入りアスナ(暫定)が入り黒髪の少女(名称不明)が入り、ネギが入って正面を向く。
其処で俺がネギを通して認識したのは、本当に人間なのだろうかと言うこと。
頭は後頭部の方向に伸び、目測でも30cmは有るだろう。なにが入っているか開けてみたい。
耳たぶは福耳と言うよりも何処かの雷バカのようだ、しているピアスからして似ているし。
長く伸びだあごひげも特徴的だろう、もしや遠野に住んでいるとされる妖怪《ぬらりひょん》か?
その辺がどうなのかと悩み考える俺をそっちのけで、ネギは学園長(と思われる物体)と言葉を交わしている。
で、アスナ(暫定)と黒髪の少女(これの孫娘らしい)の部屋に泊まれというぬらりひょん的物体G、蹴り飛ばすか?
幾ら十歳の少年とは言え男を自分の孫娘+αと一緒の部屋に泊める、一体どんな思考回路をしているんだ?
そんな風に思いつつもネギに交渉は荷が重かったらしく、結局は押し切られてしまった。
その後担当の指導教員に会ってネギが呆けたり、アスナ(暫定)がネギを認めない宣言したりした、平和だな。
指導教員の名前は源しずなと言うらしい、呼び方はしずな先生で良いだろう。
そのしずな先生からクラス名簿を貰ったネギがそれを開き、俺もネギを通してのぞき見る。
どうやら(暫定)の部分は取り除くべきらしい、神楽坂明日菜というのが本名のようだ。
黒髪の少女は近衛木乃香と言うようだが、何事にも万事マイペースを貫ける才能をもっているようだったな。
ざっと見渡してみて感じたのは異様なまでに将来性のある生徒が多いことだろう、このまま行けば美人の集団だ。
それらを置いて今思うのは、このドアに挟まっている黒板けしのトラップをネギに教えるかどうか。
こんな古典的トラップを仕掛けるとは、引っ掛かったのが女性教師だったらどうするもりなんだか。
そうこうしている内にドアを開けて中に入るネギ、黒板消しが落下して1cm位の間隔を開けて浮遊。
やっぱり使ったか、寧ろ使わないと思えなかったことからして手遅れ気味な気分がする。
と思えばいきなり浮遊を取り消して自分の頭に落下させてしまった、意味有るのか?
「いやー、引っ掛かっちゃいましたー」
そう言うネギが一歩踏み出した瞬間、足元のロープに引っ掛かり次々とトラップが作動。
その全てのトラップに引っ掛かったまま教卓に激突、目をぐるぐる回して意識混線中。
比喩ではなく脳内が混線して混乱している、その真っ只中らしいな。
(アーニャお姉ちゃん、そんなにお父さんを振り回してスタンおじさんを殴っちゃ駄目だってば)
僅かな思考だけだがこんな感じ、ネギの頭の中身はどうシェイクされたんだろうか。
そのあたりを思って見ていると、ネギの周りに生徒たちが集まってきていた。
なにやらトラップに引っ掛かったネギを心配しているらしい、特に小学校低学年レベルの身体持ち二人。
そんなに心配するぐらいならトラップなんぞ仕掛けるな、そう思ったのは俺だけではないはず。
「はいはい、自分の席に戻りなさい。今自己紹介していただきますから」
と言うプチカオス状態を手を叩きながら収めるしずな先生、あんた傍観してたのは何の意味があるんだ?
感謝と疑念を込めて念話を送ってみる、偶に受信できる奴がいたりするのだ。
筆頭はメルディアナ魔法学校の校長、それを知った後は色々とネカネのストレス発散に役立ってもらった。
例えばわざとネカネの風呂の覗きポイントを教えて、ネギにどこに覗き魔がいるとネカネに報告してもらう。
そしてネカネが其処に良くと校長が覗き準備万全で陣取っていると言うわけだ、その後は押して知るべし。
たった一週間で二十三回ほどオシオキを喰らっていた校長、ある種の大物であることは間違いない。
「い、イギリスのウェールズから来ました、ネギ・スプリングフィールドと言います。
これから三ヶ月の間皆さんの担任と英語の教師をさせていただきますので、よろしくお願いします!」
どうやらネギが自己紹介をしたようだ、反応は生徒それぞれまちまちと言ったところ。
ネギがもみくちゃにされて質問攻めにされている間、俺は俺で周りを見ておくことにしよう。
ぱっと見た限りだと・・・・・細目のでかいの、褐色のでかいの、サイドポニー、褐色の猫っぽいのがシグナルイエロー。
あとライムグリーンの髪をした耳飾りつけた生徒もイエローか、その後ろの金髪幼女はレッドだな。
あとは、基本的にはブルーっぽい。あくまで基本的にはだが、今後変化ありとしておくか。
なんとなく、シグナルレッドの金髪幼女は電波を受信してくれそうだと判断、送信してみようか不特定多数型で。
『テステステステス、ただ今送信テスト中につき返信は受け付けておりません、代わりに突っ伏すことを許可します。
が、突っ伏したら今後の受信を了承したと確認しますのでそのあたり考えて突っ伏してください、金髪ロリ娘様』
この内容で送信した瞬間、金髪幼女の殺気が数十倍まで膨れ上がった模様、ネギに丸投げして良いですか。
よく見ると褐色の肌に白い髪、顔にペイントをしている少女がじっと金髪幼女を見ている。
どうやらあの少女は電波を受信できるたちのようだ、その内別な電波を送ってみよう。
そう考えて更に見回す、サイドポニーの少女が首を傾げて辺りを見回していた。
どうやらこの少女も受信したらしい、見た感じ生真面目っぽいので揶揄いが有りそうだと認識。
他にはちょっと見当たらない、あのマイペース娘こと近衛木乃香なら受信してそうなんだが。
表面上はニコニコと変わらない笑顔なので判断に困る、受信してないかね?
『誰か知らんけど、ちゃんと受信しとるえ〜♪』
どうやらしっかりと受信しているようだ、寧ろ返事を送信して寄越した。
なかなか楽しめそうな生徒諸君ではないか、ただし見る分にはと言う前提でしかないぞ?
ネギが授業に入っていたようだが、アスナが消しゴムをネギの後頭部に撃ち出している。
ネギは避けない、ではなくて避ける事ができないと言う形が本来は正しい。
すると近くにいたハーフっぽい少女がネギを庇い始めた、見た目は良いのにショタコンか。
名簿を思い出して名前を検索、結果は雪広あやかと判明。心の中でガチショタと付け加える。
ついでと言わんばかりに電波を送信、内容は次の通り。
『ワーニン、ワーニン、金髪ロリッ娘の視線がネギに向かって集中、好感度が最大値へと変化、危険アリ!!
至急鎮火せよ、至急鎮火せよ。繰り返す、金髪小学生型ロリッ娘がネギに熱い視線を送信中、一目惚れと診断せり!!』
瞬間、教室内に響き渡る轟音を立てて金髪幼女とサイドポニーの少女が机に額を投げ出した。
その時の音は擬音に直すと「ドゴンッ!」だろう、しかもあやかとアスナが動きを止めるほどの大きさだ。
木乃香は変わらずニコニコしながらサイドポニーの少女に視線を向けている、そこはかとなく白い花の香りが・・・・
そしてその時を狙い済ましたかのように静かに響き渡る終了のチャイム、授業にならなかったと言える。
ネギ、この逆境を乗り越えて目指せ父親越え! ただし、幾分楽しんでいく方向で頼むぞ?(笑)
『人生は長くて短い、だからこそ楽しんで進むべきだからな』
To be continued...?
あとがき
さて、なんかできてしまった続編(にしてもへっぽこな内容)
結構楽しんで書いているこの話、意外と書きやすかったりします(でもヘッポコ内容)
某所の投稿物は外伝が順調、本編はちょっと苦戦中
気分転換に書き始めたこんなの、何かすごい方向に・・・・・・・
主人公二人のうち裏人格っぽいイツリさん、ネギの中で好き放題やってます
電波なんて何時の間に身に付けたんだろう、私は知らないぞ?
しかもネギは電波を受け取らない為か被害なし、せいしんにやさしいこうかだね
ただ、私では好き勝手に暴走しているイツリを止められないと確信しつつ次へと続く
いや、次があるのだろうか、需要はあるのだろうか、その辺が不安
九十九さんのそれと比べ、かなりヘッポコなので心配なこの話(ヘッポコすぎて薄っぺら)
感想ってもらえるんでしょうか、無理そうなのが私クオリティーで特徴的っぽい
どうやって続けようかと考えて考えてかんがえてカンガエテ、どうか頑張れ私と涙しつつ一つ
Top
小説のメニューへ戻る